BSに現金が計上されているのに、手元にキャッシュがない?審査で見抜かれるポイント

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BSつまり貸借対照表では現金が大きく見えるはずなのに実際はない…

そういう事態は原因の究明と把握が不可欠です。

企業は設備投資を行ったり売掛金が発生するなどして、さまざまなお金の動きがあるものです。
当然ながら一時的に大きく出ていったり、逆に入ってくることもあるわけですが、中には不自然なくらいに現金が多い企業があります。
現金が多いのは一見するとキャッシュフローに余裕がある印象ですが、不自然なほどの多さだと、それは何らかの問題をはらんでいると考えられてしまうことがあります。現金が数百万円どころか1千万円も2千万円も金庫にある企業は、税務署に怪しまれたり税務調査の対象になる可能性が高いです。実際にこのような現金の存在は怪しいですし、現金の残高を確認する為に金庫が開けさせられてもおかしくないでしょう。

審査で問題となるケースは?

問題となるのは現物と帳簿の差が大きい場合で、帳簿上は現金が大きな数字なのに、実際にはその金額の現金がないケースです。その差が大きくなればなるほど、使途不明の現金が増えることを意味しますし、税務署員に追及されることになります。このような現物と帳簿が合わないケースは、社長がワンマンで現金の使い方を公私混同している場合に多く発生する傾向があります。税務署員が社長に問いただすと、お金を貸しているといったり、帳簿につけるのを忘れたなどと説明するでしょう。うっかりミスは誰にでもありますが、それでも帳簿上の現金があまりにも多ければ、やはり他に何かあるのではと勘ぐられても文句はいえないのです。

なぜ現金残高が大きくなるのか?


そもそも現金残高が多くなる理由には、いくつかのケースが考えられます。

①領収書のもらい忘れ、紛失

例えば経費そのものは問題なく支払ったのに、領収書をもらうのを忘れた、紛失したなどです。領収書のもらい忘れについては、出金伝票に日付と内容を書くことで経費が認められます。頻繁にもらい忘れや紛失が発生すれば怪しいですが、多少のミスは税務署も大目に見てくれます。

②公私混同で個人判断での現金使用

現物と帳簿の差が大きい使途不明の現金が発生するケースで案外多いのは、社長が個人の判断で現金を使ってしまうことです。会社のお金なのに自分のお金のように思ってしまったり、銀行に出向いてお金を下ろすのが面倒などの理由で使ってしまうケースです。確かに、一時的ならば借りてすぐに金庫に返せば問題がなさそうに思われますが、公私混同という意味では問題です。

そしてこのようなお金の使い方は、会社の側からすれば貸付金にあたります。会社は営利団体で利益の為に存在していますから、会社としてお金を貸すことがあれば、利息を取る必要が出てきます。これは税金に関する法律でもそうなっていますし、法人税の対象にもなります。
こういった社長の公私混同による会社のお金の使用は、長年清算せずにいると貸付金ではなく賞与、つまりボーナスと解釈されて処理されてしまいます。これでは経費として認められませんし、源泉所得税を支払うことになるので、会社としては無視できない負担が発生してしまいます。社長にも所得税が発生しますから、会社だけでなく社長自身も負担が増えることになります。社長の存在が大きくて誰も意見がいえないような会社だと、使途不明の現金があっても有耶無耶にされてしまいがちです。

しかし公私混同は会社にも社長の為にもならないので、現物と帳簿が大きくかけ離れていないか確認したり、乖離が見られれば早急に対処が必要です。

③領収書をもらえなかった

帳簿にはあるのに実際には現金がない状況は、仕事の紹介で紹介料が発生したのに、領収書をもらえなかったというケースもあてはまります。仕事の紹介は経費として処理できますが、領収書がなければそれを証明できないので、現金残高だけが不自然に多くなる状況が発生します。副業が禁止されている企業の社員は、確定申告をすると会社に副業が発覚してしまうことから、領収書が欲しくても受け取れないことがあるのは確かです。

 

適正なお金と帳簿の管理が大切!


このように社長の公私混同や領収書がない状況はいずれも、現物と帳簿が合わなかったり、使途不明の現金が存在する事態を招きます。お金の流れは常に正確に記録したり把握するのが望ましく、税務調査でも堂々と質問に答えられる状態で臨むのが理想的です。多少のうっかりやミスは仕方がありませんが、不正なお金の使い方が疑われるような帳簿上の記録、金庫の状況などは避けるのが無難です。


不正がなければ税務職員に説明ができるはずですし、説明に一貫性があって不自然な点がなければ、納得してそれ以上問題が大きくなることはないでしょう。ところが、税務職員の指摘で社長が感情的になってしまったり、まるで喧嘩腰のような態度で応じてしまえばこの限りではないです。現金残高が多くても、税理士や税務職員が確認して問題がないと判断されれば、以後追及されることはなくなります。決算ごとに現金残高が不自然に増えていくことが問題で、金庫を開けると実際には帳簿通りの現金がないという方に危機感を抱くべきです。