今回は、Anthropic社が開発した先進的なAIアシスタント「Claude」の新機能、「Projects」と「Artifact」についてご紹介します。これらの機能は、AIとのコミュニケーションや協働の方法を大きく変える可能性を秘めています。さあ、一緒にこの革新的な機能の世界を探検してみましょう!
1. ClaudeのProjects機能:あなただけのAIアシスタントを作ろう
1.1 Projects機能とは?
みなさん、OpenAIのChatGPTで提供されている「GPTs」をご存知ですか?ClaudeのProjects機能は、それと似たようなものだと考えるとイメージしやすいかもしれません。つまり、特定の用途に特化した、オリジナルのAIチャットボットを作成できる機能なんです。
私自身、いくつかのプロジェクトを作成してみましたが、その活用範囲の広さに驚きました。例えば:
- チャットで送信したキーワードをもとに英語翻訳をしてくれるプロジェクト
- キーワードに基づいて要件定義書を作成してくれるプロジェクト
- キーワードからブログ記事を自動生成してくれるプロジェクト
これらは氷山の一角に過ぎません。あなたのニーズに合わせて、無限の可能性が広がっているんです。
1.2 Projects機能のメリット
Projects機能の最大のメリットは何だと思いますか?それは、「効率化」です。通常のClaudeを使用する場合、毎回プロンプト(指示)を調整する必要がありますよね。でも、Projectsを使えば、用途ごとに設計したプロンプト指示をProject内に記憶させておけるんです。つまり、毎回細かい指示を出す手間が省けるわけです。
これは単なる時間節約以上の意味があります。例えば、チーム内で統一したAIの使い方を共有したい場合や、複雑なタスクを定型化したい場合など、ビジネスシーンでの活用の幅が大きく広がるんです。
1.3 Projectの作り方
「興味は湧いたけど、難しそう…」なんて思っていませんか?安心してください。Projectの作り方はとってもシンプルです。
1.Claudeの画面左部分にマウスオーバーしてメニューを表示
2.「Project」をクリック
3.「Create Project」をクリック

これだけで、Projectの登録画面に進めます。最初にプロジェクト名と、概要を記入します。

そのあと、そのプロジェクトの詳細について設定する画面に移動しますので、ここでは主に「ナレッジファイルのアップロード」や、「カスタム指示」を設定します。
特にカスタム指示の部分が重要です。ここに、このProjectで行いたいタスクの詳細や、AIに守ってほしいルールなどを記述します。例えば、「必ず敬語を使用すること」や「専門用語を避けて説明すること」といった指示を与えることができるんです。
例えば、ユーザーがつぶやいた日本語に基づいていつでも英語に翻訳してくれるアプリを作りたいのであれば、カスタム指示の欄に、以下のようなプロンプトを入力します。
プロンプト例:このChatでユーザーが送信した日本語をいつでも英語に翻訳して回答してください。
このように、自分が使いたい用途に沿ったプロンプトを設計して、カスタム指示のところに盛り込んでみましょう。
2. Projects機能の利用条件:プレミアムな機能を使いこなそう
「素晴らしそうだけど、無料で使えるの?」という疑問が湧いてきたかもしれませんね。実は、Projects機能を利用するには条件があります。
2.1 必要なプラン
Projects機能を使用するためには、Claude ProまたはTeamプランの有料ユーザーである必要があります。これらのプランは、Anthropic社の公式ウェブサイト(https://www.anthropic.com/pricing)で確認できます。
各プランの特徴を簡単にまとめてみましょう:
- Claude Proプラン
- 個人ユーザー向け
- Projects機能の利用が可能
- より高速な応答速度
- 優先的なサポート
- Teamプラン
- 企業や組織向け
- Projects機能を含む高度な機能
- チーム管理機能
- セキュリティ機能
どちらのプランも、最新のClaude 3.5 Sonnetモデルを使用しています。これは、高度な自然言語処理能力と多様なタスクへの対応が可能な、最先端のAIモデルです。
2.2 プランの選び方
「どのプランを選べばいいの?」という質問をよく受けます。個人で使用する場合はClaude Proプランがおすすめです。一方、チームで利用する場合や、セキュリティに特に配慮が必要な場合は、Teamプランが適しているでしょう。
ただし、すぐに有料プランに飛びつく必要はありません。まずは無料版のClaudeを使ってみて、その便利さを実感してからプランをアップグレードするのも良い選択肢です。AIアシスタントの世界は日々進化していますから、自分のニーズに合ったタイミングで導入を検討しましょう。
3. ClaudeのProjects vs ChatGPTのGPTs:どっちがおすすめ?
AIの世界では、常に比較と選択が求められます。ClaudeのProjectsとChatGPTのGPTs、どちらを選ぶべきでしょうか?それぞれの特徴を見ていきましょう。
3.1 GPTsの特徴
ChatGPTのGPTsは、2023年11月に発表された比較的新しい機能です。その主な特徴は:
- カスタマイズ可能なAIアシスタントの作成
- 幅広いユーザーベース
- 豊富な事前学習データ
- プラグイン機能による拡張性
GPTsの大きな利点は、無料ユーザーでも制限付きで使用できるようになったことです。これにより、多くの人がカスタムAIの作成を体験できるようになりました。
3.2 Projectsの特徴
一方、ClaudeのProjectsの特徴は:
- 高度なプロジェクト管理機能
- 詳細なカスタマイズ性
- チーム協業に適した機能
- セキュリティ重視の設計
Projectsは、特に企業やプロフェッショナルユーザーのニーズに応える設計になっています。
3.3 どちらを選ぶべき?
正直なところ、「どちらが絶対的に優れている」とは言い切れません。それぞれに長所があり、使用目的や環境によって適する方が変わってくるんです。
私のおすすめは、まずGPTsを試してみることです。無料で使えるので、カスタムAIの可能性を探るには最適です。そして、より高度な機能や、チームでの使用、セキュリティが重要な場合は、ClaudeのProjectsに移行することを検討するのが良いでしょう。
要は、自分のニーズに合わせて選択することが大切なんです。AIツールは日々進化していますから、柔軟な姿勢で最適なツールを選んでいくことをおすすめします。
4. ClaudeのArtifact機能:AIとの協働に新たな次元を
さて、ここからは、Claudeのもうひとつの革新的な機能、「Artifact(アーティファクト)」についてお話ししていきます。この機能は、AIとのコミュニケーションをさらに一歩進めた、まさに次世代のAI協働ツールと言えるでしょう。
4.1 Artifact機能とは?
Artifact機能は、簡単に言えば、Claudeが生成したコンテンツを専用の領域で表示・操作できる機能です。具体的には:
- コード
- ドキュメント
- 画像
- グラフ
- 図表
などが、チャット画面とは別の専用領域に表示されます。これにより、AIが生成したコンテンツをより直感的に、そしてインタラクティブに扱えるようになるんです。
4.2 Artifact機能の特徴と活用法
Artifact機能の魅力は、その多様な活用法にあります。例えば:
- Webアプリのテスト実行: Claudeが生成したWebアプリのコードを、その場でプレビュー表示して動作確認ができます。
- HTML/CSSのデザイン確認: ランディングページのデザインをその場で確認し、修正指示を出せます。
- JavaScriptコードの即時実行: 生成されたJavaScriptコードの動作を、すぐにテストできます。
- クラス図の描画: システム開発の要件定義書をもとに、クラス図をSVG画像として出力できます。
- データのグラフ化: 売上データなどを、見やすいグラフとしてSVG画像で表示できます。
- ガントチャートの作成: プロジェクト管理に欠かせないガントチャートも、Excel形式で出力可能です。
これらの機能を使いこなすことで、プロダクト開発やエンジニアリング業務はもちろん、データ分析や会議資料作成など、幅広い業務でAIとの協働が加速するでしょう。
4.3 Artifact機能の有効化方法
「すごそう!早速使ってみたい!」そう思った方も多いのではないでしょうか。では、Artifact機能の有効化方法を説明しましょう。
1.Claudeを開く

2.設定メニューの「Feature Preview」をクリック

3.「Feature Preview」の「Artifacts」をOnにする

4.4 Artifactの表示と操作
Artifact機能を有効にしたら、通常通りClaudeとチャットを行ってください。すると、生成されたコードや画像が自動的にArtifactとして表示されます。
表示されたArtifactは、画面の右半分に表示されます。

コード生成後、そのコードで生成されうるアプリを実際に確認することが可能です。

例えば、プロダクトマネジメントに携わる方やエンジニアの方などは、試しに作ってみる、等の作業に使っていける機能になっていると思います。
4.5 Artifactのバージョン管理
Artifact機能のもう一つの強みが、バージョン管理機能です。生成されたコードに修正を加えた場合、新しいバージョンとして保存されます。
画面上部に表示される左右の矢印を使って、簡単にバージョンを切り替えることができます。これにより、変更履歴を追跡しやすくなり、試行錯誤の過程を振り返ることができるんです。

「ちょっと前のバージョンの方が良かったかも…」なんて時にも、すぐに戻すことができますよ。
4.6 Artifactの公開機能
2024年7月15日から、新たにArtifactの公開機能が追加されました。これは、生成されたArtifactを他の人と共有できる画期的な機能です。
使い方は簡単です。Artifact表示画面の右下に表示される「Publish」ボタンをクリックするだけ。すると、そのArtifactに固有のURLが生成されます。
このURLを同僚やクライアントと共有することで、生成されたコードやグラフ、図表を簡単に共有できるんです。チーム作業や、クライアントへのプレゼンテーションなど、様々なシーンで活用できそうですね。
5. ClaudeのProjects・Artifact機能を使いこなすコツ
ここまで、ClaudeのProjects機能とArtifact機能について詳しく見てきました。これらの機能は確かに強力ですが、使いこなすにはちょっとしたコツがあります。ここでは、私の経験をもとに、これらの機能を最大限に活用するためのヒントをお伝えしましょう。
5.1 明確な目的を持つ
Projects機能を使う際は、そのProjectの目的を明確にすることが重要です。「英語翻訳用」「ブログ記事作成用」など、具体的な用途を決めておくと、より効果的なProjectを作成できます。
例えば、私が作成した「ブログ記事作成プロジェクト」では、以下のような指示を含めています:
- 記事の構造(導入、本論、結論)を必ず含めること
- 専門用語は初心者にもわかりやすく説明すること
- 各セクションは300〜500単語程度にすること
このように具体的な指示を与えることで、AIがより的確な支援を行ってくれるようになります。
5.2 段階的なアプローチを取る
Projectsの設定やArtifactの活用は、一度に完璧を目指すのではなく、段階的に改善していくアプローチが効果的です。最初は基本的な設定から始めて、使用しながら徐々に調整していきましょう。
例えば、Artifact機能を使ってWebアプリを作成する場合:
- まず、作りたいシステムに必要なファイルの構成
- 各種ファイルのコーディング
- CSSでスタイルを追加
- JavaScriptで動的な要素を実装
というように、段階を踏んで進めていくと、より管理しやすくなります。
5.3 フィードバックを活用する
AIの出力結果に満足できない場合は、遠慮なくフィードバックを与えましょう。「もう少し詳しく説明して」「この部分はもっと簡潔に」など、具体的な指示を出すことで、AIの出力をより自分のニーズに合わせることができます。
Artifact機能を使う際も同様です。生成されたコードやグラフに修正が必要な場合は、その都度指示を出して調整していきましょう。
5.4 バージョン管理を活用する
Artifact機能のバージョン管理は、試行錯誤の過程を記録する強力なツールです。新しいアイデアを試す際は、新しいバージョンとして保存し、うまくいかなかった場合は以前のバージョンに戻れるようにしておきましょう。
これは特に、コード開発やデザイン作成の際に重要です。「以前のバージョンの方が良かった」という事態にも柔軟に対応できます。
5.5 チーム内で共有する
Projects機能やArtifact機能の設定やノウハウをチーム内で共有することで、組織全体のAI活用レベルを向上させることができます。
例えば、効果的だったProjectの設定を共有したり、Artifactを使って生成したコードの使い方をチームメンバーに説明したりすることで、チーム全体のスキルアップにつながります。
5.6 セキュリティに注意する
Projects機能やArtifact機能を使う際は、セキュリティにも注意が必要です。特に機密性の高い情報を扱う場合は、Teamプランの利用を検討しましょう。
また、Artifactの公開機能を使う際は、公開するコンテンツに機密情報が含まれていないか、必ず確認するようにしましょう。
6. ClaudeのProjects・Artifact機能の未来展望
最後に、これらの機能の未来について少し考えてみましょう。AIテクノロジーは日々進化しており、ClaudeのProjects機能やArtifact機能も今後さらなる発展が期待されます。
6.1 より高度なカスタマイズ
今後、Projectsではより詳細なカスタマイズが可能になるかもしれません。例えば、特定の業界や職種に特化したテンプレートの提供や、ユーザー独自の学習データの組み込みなどが考えられます。
6.2 他のツールとの連携
Artifact機能が他のツールと連携できるようになれば、ワークフローがさらにスムーズになるでしょう。例えば、生成されたコードを直接GitHubにプッシュしたり、作成されたグラフをSlackで共有したりできるようになるかもしれません。
6.3 リアルタイムコラボレーション
複数のユーザーが同時にArtifactを編集できるリアルタイムコラボレーション機能が追加されれば、チームでの作業効率が大幅に向上するでしょう。
6.4 AIモデルの進化
基盤となるAIモデルの進化に伴い、Projects機能やArtifact機能の性能も向上していくはずです。より高度な自然言語理解や、複雑なタスクへの対応能力が期待できます。
7. まとめ:AIとの新しい協働の形
ここまで、ClaudeのProjects機能とArtifact機能について詳しく見てきました。これらの機能は、単なるAIチャットボットを超えた、新しいAIとの協働の形を示していると言えるでしょう。
Projects機能を使えば、特定のタスクに特化したAIアシスタントを簡単に作成できます。これにより、業務の効率化やクオリティの向上が期待できます。
一方、Artifact機能は、AIとのコミュニケーションをより直感的で生産的なものに変えてくれます。コードの即時実行やグラフの生成など、AIの出力をリアルタイムで確認し、調整できる点は画期的です。
もちろん、これらの機能を使いこなすには少し慣れが必要かもしれません。しかし、一度使い方を習得すれば、あなたの仕事の進め方が大きく変わるはずです。