注意!会社の決算後に手元に残るキャッシュが少ないと危険な理由

 

資金の円滑化にはキャッシュに余裕が必要!

企業が経営を継続するには、自己資金に関して慎重な計画が必要になります。金額的に充実しているほど多彩な戦略をとりやすく、そのためにスムーズな利益の獲得を続けることが大事です。

資金繰りを円滑化するには、キャッシュに余裕を持たせることが欠かせません。

融資を受けている場合でも適切な返済のペースを割り出し、着実に遂行していくことが条件になります。もちろん納税も不可欠であり、そういった支払いを引いてなお、十分な利益を残せるような工夫が必須です。特に減価償却費などに気を付け、それらが利益を上回ることを避けなければなりません。

これが理想であると分かっていても実現できないケースがよくあります。債務超過、支払い能力低下といった事態がさまざまな企業で起こっているのです。資金繰りが圧迫されてしまい、債務超過が恒常的な状態になると倒産が近づきます。なぜなら、金融機関から融資を受けるハードルが極端に上がってしまうからです。そうなるとキャッシュが残らないようになり、支払は必然的に停滞気味になるでしょう。支払手形を発行済みなら、不渡りになることで倒産が現実的になってしまいます。また、支払能力のダウンが資金繰りに悪影響を与えます。

流動比率とは?

①流動資産を割り出しましょう

そういった事態を回避したいなら、流動比率との関連性を正しく理解することが先決です。あまり長いスパンだと分かりにくいので、まずは1年という区切りで考えてみましょう。その間隔をベースにして、将来的にキャッシュ化できる流動資産を割り出します。

 

②流動負債もチェック

これに加えて、支払いを迫られる流動負債もチェックしてください。一口に流動資産といっても多くの種類があります。代表的なのは預金ですが、売掛金のような債権の割合も大きいです。流動負債に関しても買掛金や未払金など、現金以外の勘定科目が多く含まれています。これらに関する認識が甘いと、資金ショートを引き起こしやすいので注意してください。

 

③流動比率の計算法

この流動負債で流動資産を割ることで流動比率が求められます。ですから、この割合が100%に近ければ、資金ショートのリスクは小さいと見なせるのです。反対に100%から大きく離れているほど、抜本的な見直しが必要な状況と判断できます。したがって、まずは流動比率の意味を理解して、その数値を算出することからスタートしましょう。

 

流動比率が低い場合どうすればいいでしょうか?

上記のプロセスを経ると、流動比率が著しく低くなっていると分かるケースがあります。その場合はやみくもに資金繰りの改善に努めるのではなく、その原因を明らかにすることが大切です。ダウンを招いている要因を分析して、それを解消することに全力を注がなければなりません。

たとえば、買掛金が大きく膨らんでいるなら、仕入ルートの再選定も必要になるでしょう。設備用の資金が足りていない場合は、運転資金から補充を正しく行えているのか確認が必須です。借入金に関しても短期から長期に移し替えたほうが良いケースも見受けられます。

このように多様な要因が考えられるので、臨機応変に対応していくことが不可欠となっています。言い換えると、従来の方法に固執しすぎるのは良くありません。キャッシュが減っていく一方となり、企業経営が危険な領域に達してしまいます。

 

流動比率とビジネスの関係

そう言われると、とにかく流動比率を高くするだけで良いと思う人もいるでしょう。実際には比率が高くても経営が行き詰まることも珍しくありません。その場合は売掛金と買掛金のサイクルに異常が生じている可能性が高いです。売掛金の回収前に買掛金の支払いがあると、一時的に資金ショートの状態になりやすいです。このサイクルを正しい状態に戻し、売掛金の回収を先に行えるようにすれば、キャッシュが底をつくような事態は避けられます。不良在庫を持たないのは勿論ですし、その気配があるなら早めに手を打つことが大事です。

 

危険を察知したらすぐ再チェック!

 

キャッシュの余裕がなくなるほど、在庫に対する自由度も下がっていきます。望まぬ価格で販売するなど、利益を増やしにくい状態に追い込まれるかもしれません。つまり、現金に余裕があるうちに、施策を次々と実践していく姿勢がポイントになります。借入の返済が慢性的に遅れているなら倒産のリスクは大きいです。支払手形の期限を延ばしている場合も同様ですし、納税などの用途に使う借入が顕著な場合も気を付けなけなりません。

いずれもキャッシュがうまく回っている間は立て直しが可能です。しかし、データ的に黒字の場合でも、キャッシュの流れが滞ることは十分にありえます。

大切なのは書面と現実の違いを明らかにすることです。売掛金が膨大でも手元に集められないなら、それは単なるデータに他なりません。データを自分の支払いに充てることはできず、結果的に経営はそこで頓挫してしまうというわけです。よって、支払能力のダウンを察知したら、すぐに資金繰りを再チェックする柔軟性が重要になります。それで問題が発覚したら、危険を回避するための施策を検討しましょう。