会社の安全性を知ることができる指標として、ビジネスで役立つ数字の1つに、自己資本比率と呼ばれるものがあります。これを目安にすることで、取引相手がどれだけ安全であるかどうかその安全性を把握することができ、安定した商売を維持しやすくなるのです。自社の自己資本比率についてどうやって計算すれば良いのか、その方法を教えることにより、健全な経営を目指すことにもつながります。
そもそも自己資本比率とはどのようなものなのかと言うと、会社の安全性を見られる基本的なものに当たります。安定性、独立性等を把握することができ、会社経営における将来性まで見通すことも可能です。この自己資本比率の使い方を把握しておくことにより、経営者として判断基準に生かすことができ、自社を更なる成長に導くことができます。なぜ自己資本比率が会社の安全性を知る指標に使われるのかと言うと、それは企業にとって自己資本が非常に重要であることが理由です。自己資本比率は他人の子本と自己資本、つまり子さんの家の資本の割合を示しています。貸借対照法から求める数字であることから、自社の自己資本比率はもちろんですが、他社の自己資本比率も調べることが可能です。この資本率が高ければ、自己資本が潤沢であることがわかり、反対に低いと少ないと言うことです。とは言え高ければ高いほど良いわけではなく、会社の安全性や成長性を教えるためにも、バランスの良いパーセンテージを知っておくことが大切です。
1つ注意しなければならない事は、自己資本比率が低い企業です。一般的には自己資本が乏しく、他人資本の影響を受けやすいと見られてしまいます。経営の安定が図られておらず、場合によっては倒産するのではないかと言う危険性があるのです。特に注意するのは自己資本比率が20%を下回っている場合です。高ければ良いと言うわけでは無いものの、あまりにも低ければ借り入れも多く、返済や金利の負担も多く、企業の利益を圧迫する危険性が考えられます。借入金に頼る形をしているようにも見られてしまい、対外的な信用を失って、資金の調達、新規取引にも大きな悪影響を与える可能性があるのです。このようなことから自社の自己資本が低くなった場合には、倒産のリスクがトータル的に上がり、取引相手が自己資本比率が低すぎる企業の場合には、かなりリスクが高いと考えられるでしょう。できることならば30から40%以上が望ましく、この数値を維持していれば安定した企業といえます。
このようなことを踏まえた上で、自己資本比率を高める方法について把握しておきましょう。自社の財務体質の強化にもつながり、対外的なメリットも多く得られるはずです。その方法の1つに挙げられることとしては、内部留保の拡大、運転資金の圧縮が挙げられます。自己資本を増やすことが1番であり、授業で利益を出した場合には内部留保を増やすことで自己資本比率が上昇します。長期的な方法でありやや難しいかもしれませんが、経営する上では1番正しい高め方であることがわかります。内部留保とは利益剰余金と呼ばれるものであり、1時的な損失が生じた場合の会社の体力にもなりえます。利益を上げ続けるためには、利益を守るだけではなく、攻めのビジネスを展開することも重要だということです。また運転資金を圧迫して総資本を圧縮することも重要です。運転資金は出し渋ると経営が縮小して、勢いがなくなってしまう可能性もあるものの、無駄な運転資金がないかどうかを確認することが健全な経営につながります。
そして不良債権・在庫の処分が挙げられます。不良債権や在庫の処分も、余計な資産を減らし自己資本比率の改善を目指すことが可能です。長期間回収できていない売掛金、未収入金の中には、回収がこれ以上不可能になっているものもあることでしょう。このような不良債権は貸倒損失として経費計上した上で、処分すれば余計な資産が減ることにもなるのです。不良在庫の処分を進めることも工場には大切であり、廃棄処分するようにしましょう。今後も販売する見込みがないものを処分すれば、総資本を減らすことにもつながります。
最後に繰上返済や支払サイトの短縮です。借入金は負債として比率を引き下げる原因になっているため、繰り上げ返済をすることで減らせば、自己資本比率の上昇に役立ちます。借入金の内容を全て見直した上で、必要最低限の金額で減少を目指しましょう。買掛金取引をしているのであれば、支払いサイクルを短くするだけでも、自己資本比率を高めることができるでしょう。仕入れ先からは、短縮する事はありがたい申し出だとして、快く受け入れてもらえるはずです。しかし短縮を申し出る場合には、キャッシュフローの観点から、無理のない範囲で行うことが大切です。キャッシュフローが悪化して黒字倒産してしまっては、全く意味がないものになってしまうのです。