部門別損益管理が必要な会社の特徴
部門別損益管理が必要となるのは、規模が大きくなり部門数や店舗数が増えてきた会社です。部門別に損益管理ができていないと、どの部門が儲かっているか、儲かっていないのか把握することが難しくなります。これでは、赤字部門を見つけ出すことも困難になるでしょう。その結果、会社全体の利益を損ねることにもつながりかねません。正しい経営判断が行えなくなるので倒産リスクも高まってしまいます。そのため、規模が大きくなってきた会社では部門別損益管理を行い、事業や店舗ごとの損益を把握することは、安定した会社経営を行うためにも重要となるのです。
正しく部門別の損益を管理する方法とは?
正しい部門別損益管理の方法は、部門別の内訳を明確にすることです。それぞれの部門の売り上げや粗利、経費を整理し、把握できるようにします。そうすることで、最終的な利益につながっている部門を把握することが可能です。例えば、本部と2つの事業部がある会社の場合、A事業部は全体の売上に占める割合は高くても利益は低く、B事業部は売り上げは低くても利益は高いといった情報を把握できます。正しい管理を行えば部門別の損益状況を正確に知ることができ、精度の高い経営判断の実現が可能。どのような経営改善を推し進めるか判断しやすくなります。
間違った部門別損益管理の方法とは
間違った部門別損益管理の方法は、経費をすべて本部のものとして扱ってしまうことです。これでは、事業部ごとの粗利を明確にできても、利益まで把握することが難しくなります。そうなると、会社全体の利益や売上は把握できても各部門ごとの状況が分からなくなり、どの部門に経営資源を投入すればよいのか判断できなくなるでしょう。損益管理の手抜きによって正確な情報が得られなくなると、経営判断の精度も低くなり、倒産リスクも高まってしまいます。各事業部の損益状況を把握できるように、必要な情報を事業部ごとにしっかりと分けて管理することが重要です。
部門別損益管理を怠った場合のリスク
部門別損益管理を怠った時に起こるリスクとしては、利益を上げている事業部が分からなくなるために、間違った経営判断をしてしまうことです。例えば、売上を上げている事業部に経営資源を投入し、売上の向上を目指したとします。しかし、その事業部では利益率が極めて低かったとすると、どれだけ売上が増えたとしても利益は増えません。部門別損益管理が杜撰であると経営判断を誤りやすくなり、倒産リスクも高まってしまうのです。部門別損益管理を正しく行い、正確な情報を把握することは安定した会社経営に欠かせません。利益が増えないような誤った判断を下すことも防げるようになるでしょう。