【管理部担当者必見】原価計算における配賦の目的・計算方法

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配賦計算を行う目的

配賦とは、企業全体でかかっている共通的な経費をそれぞれの部門に分担して負担させる方法のことで、企業の利益を正しく計算する上で非常に重要な考え方となっています。企業経営をするためには様々な組織運営に必要な間接費を明確に把握する必要があり、またこれを適切に計上することで、正確な利益を確保する上で重要な要素となります。一般的に商品のコストや様々な経費等が意識されることが多いのですが、実際にはその他にも管理費などの様々な経費が発生していることが忘れられがちになるため、企業全体の利益計算を誤ってしまうことが少なくありません。

配賦の計算方法

配賦を正しく計算するためには、適切に間接費を集計し、これをもとに配賦基準を明確に定義することが必要となります。一般的にはそれぞれの工数に応じて一定の配賦率をかけ合わせる方法が主流であり、これにより単純かつ効率的な計算を実現するものとなっているのが特徴です。
しかし管理が複雑になる部署等、特殊な場合にはその割合が変わることも少なくありません。組織によってこの割合が異なる仕組みとしている企業も多く、これによってそれぞれの作業に係る管理の割合を適切に分担する仕組みとなっています。その適正化を図ることにより、それぞれの利益に対する部門の貢献を正確に集計することが可能です。

配賦計算のメリット

配賦計算を正確に行うことによって、部門ごとのモチベーション向上につながると言うケースが少なくありません。便宜上一律にしている場合には、お互いに管理費用の係る業務や部門に対しての問題意識が強くなりすぎ、差別が生じてしまうことも多いものです。これを適正な管理費用に対して配賦率を個別に設定することにより、その不公平感をなくし認識を公平に保つことができる場合が少なくありません。
さらに管理に手間のかかる部門に対し、コスト意識を高く持たせることによりコスト削減につながるメリットを生み出すこともできます。それぞれの部門の管理コストを明確に把握し、適切に設定することが重要なポイントです。

配賦計算を行うデメリット

配賦はその方法によっては間接品の負担を実際に業務に携わる部署に強いることになり、公平感を損ねる恐れがあるので十分に注意が必要です。営業部門等は自ら利益を上げているのに配賦によってその利益が目減りしてしまうため、間接部門に対して無駄だと言う意識を持つことも少なくありません。利益を上げていない部門の負担を行うことに対しての嫌悪感を持つこともあるので注意が必要です。
間接費の負担は基本的にはすべての部署が公平に行うことが重要ですが、それぞれの部分で不公平であると言う認識を持つことがないよう、そのバランスを考慮することが重要なポイントとなっています。